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無垢材の樹種による特徴の違いとは?硬さ・足触り・用途から無垢材の選び方を解説

素材の話

無垢材とは、山で育った木を丸太から切り出しただけの木材です。樹種によって硬さや重さ、足触り、木目などの特徴は異なります。そのため、無垢材を選ぶときは「どの樹種が優れているか」ではなく、「どこに、何の木材を使うか」を基準に考えることが大切です。

山喜建設の注文住宅ブランド「無垢Story」では、土台と柱にヒノキ、床にはナラやパイン、建具にスギとキリなど、用途に応じて樹種を使い分けています。

本記事では、針葉樹と広葉樹の違いから6樹種の特徴、用途別の樹種の選び方、無垢材の弱点と対処法を解説します。

 

Contents —目次—

  1. 針葉樹と広葉樹では、無垢材の特徴にどのような違いがある?
  2. スギ・ヒノキ・パイン・オーク・ウォールナット・キリには、どんな特徴がある?
  3. 部屋や用途によって、樹種は変えた方がいいの?
  4. 無垢材の弱点は、どこまで防げる?
  5. 無垢ストーリーは、どこに何の樹種を使っているの?
  6. よくある質問
  7. 無垢材の樹種は「どれがいいか」ではなく、「どこに使うか」で住み心地が変わります

針葉樹と広葉樹では、無垢材の特徴にどのような違いがある?

針葉樹と広葉樹では、木材を構成する細胞の種類や組織のつくりが異なります。その違いは木材の重さや硬さなどの性質にも関係します。ただし、「針葉樹だから柔らかい」「広葉樹だから硬い」と一律に判断できるわけではありません。

違いは細胞のつくり。針葉樹は軽く、広葉樹は重い

針葉樹とは、スギやヒノキ、マツなど葉が針のように細い木を指します。針葉樹の内部には「仮道管」という水を運ぶ細胞がほぼ同じ形で縦に並んでいます。仮道管の内側は空洞になっているため木材の重量は軽い傾向です。

一方の広葉樹は、オーク(ナラ)やウォールナットのように葉が平たく広い木で、「道管」「木繊維」「柔細胞」など複数の細胞が隙間なく詰まっています。この細胞のつくりの違いが重量の差になります。

木の硬さや足元の冷たさは、気乾密度に関係する

木の硬さや足元の冷たさは、気乾密度(きかんみつど)で説明できます。

気乾密度とは、木材を自然乾燥させた状態の1cm³あたりの重さを指します。北海道の「樹種別の気乾密度の値の例」によると、針葉樹のスギの気乾密度は0.38g/cm³(※1)。スギのように密度が低い木は隙間に空気を多く含むため柔らかく、足の裏の熱を奪いにくいので、素足でも冷たさを感じにくくなります。

対して、広葉樹のオークの気乾密度は0.68g/cm³です。オークのように密度が高い木は細胞の壁が厚く隙間が少ないため、硬く傷に強い一方、熱が伝わりやすく素足はひんやりと感じます。同じ体積で比べるとオークはスギの約1.8倍の重さ。

細胞の詰まり具合の違いが、重さや硬さ、熱の伝わりやすさにも表れています。

参考資料(※1):北海道「樹種別の気乾密度の値の例」(木材工業ハンドブック改訂4版/森林総合研究所監修より)

針葉樹か広葉樹かより、樹種ごとの数値のほうが正確

木材の性質を判断するときは、針葉樹か広葉樹かという分類だけでなく、樹種ごとの気乾密度を見ることが大切です。針葉樹は軽く柔らかく、広葉樹は重く硬いというのはあくまで傾向で、例外もあるからです。

例えば、針葉樹のパイン(マツ)の気乾密度は0.46〜0.52g/cm³ですが、広葉樹のキリは0.30g/cm³で、キリのほうが軽い木材です。そのため、「針葉樹は軽く、広葉樹は重い」と一概には言えません。

スギ・ヒノキ・パイン・オーク・ウォールナット・キリには、どんな特徴がある?

住宅で一般的に使われる無垢材は、針葉樹のスギ・ヒノキ・パイン、広葉樹のオーク(ナラ)・ウォールナット・キリの6樹種です。軽さならスギとキリ、耐久性ならヒノキ、傷への強さならオークが選ぶ基準になります。

スギは針葉樹の中でもっとも軽く、素足で冷たくない

スギは、日本でもっとも多く植えられている針葉樹です。気乾密度0.38g/cm³は6樹種のなかで2番目に軽い木材。足触りが柔らかく、素足で歩いても冷たさを感じにくいのが特徴です。まっすぐ長い材が取れるため、床材だけでなく柱や梁にも使われます。

ヒノキは、水とシロアリに強い針葉樹

ヒノキは、水とシロアリに強い針葉樹です。気乾密度0.44g/cm³でスギより少し硬く、特有の香りと経年で増す光沢が特徴です。国土交通省の評価方法基準では、劣化対策等級においてヒノキ・ヒバ・ケヤキ・クリなどが耐久性の高い樹種として挙げられています。この耐久性から、土台や柱、床材、浴室に使われることもあります。

パイン(マツ)は扱いやすく、価格をおさえやすい針葉樹

パインはマツ類を指す針葉樹で、流通量が多く価格をおさえやすい木材です。気乾密度は0.46〜0.52g/cm³で、産地や種類によって幅があります。広葉樹より密度が低いぶん肌触りは柔らかく、素足でも冷たさを感じにくいのが特徴。床材や造作材、家具まで幅広く使われます。

傷に強いオーク(ナラ)は、広葉樹の定番

オークは硬く耐久性に優れた広葉樹です。「オーク」は英語名で、日本では「ナラ」と呼ばれます。気乾密度は0.68g/cm³と6樹種のなかでもっとも高く、摩耗に強いため床や階段、家具向き。はっきりとした木目が特徴で、高級感のある仕上がりになります。

ウォールナットは、硬さと色の深さを併せもつ広葉樹

ウォールナットは気乾密度0.63g/cm³ と高く、耐久性に優れた広葉樹です。濃い褐色の落ち着いた色合いが特徴で、世界三大銘木のひとつ。木材そのものの表情を生かした家具や内装に向いており、やや明るい色に経年変化します。ただし流通量が限られるため、6樹種のなかでもっとも高価です。

キリは広葉樹でありながら抜群に軽い

キリは広葉樹でありながら気乾密度0.30g/cm³で6樹種のなかで最軽量の木材です。柔らかく加工しやすく、建具や家具のキャビネットなどに向いています。特に建具では軽さを活かして、開閉時の負担をおさえられます。

6樹種を気乾密度の低い順に並べると、密度が上がるにつれて硬く、傷に強くなる一方で、素足での冷たさも増していくことが分かります。

 

樹種 分類

気乾密度

(g/cm³)

硬さ 足元の冷たさ 傷・修理 主な用途
キリ 広葉樹 0.30 とても柔らかい 冷たくない つきやすい 建具・引き出し・収納
スギ 針葉樹

0.38

柔らかい 冷たくない つきやすく、直しやすい 柱・梁・床・建具
ヒノキ 針葉樹 0.44 やや柔らかい あまり冷たくない ややつきやすい 土台・柱・浴室まわり
パイン 針葉樹 0.46~0.52 中間 あまり冷たくない ややつきやすい 床・造作材・家具
ウォールナット 広葉樹 0.63 硬い ややひんやりする つきにくく、直しにくい 床・家具の天板

オーク

(ナラ)

広葉樹 0.68 とても硬い ひんやりする つきにくく、直しにくい 床・階段・家具

 

部屋や用途によって、樹種は変えた方がいいの?

部屋や用途によって樹種を変えると、住み心地と耐久性の両方が上がります。判断の基準は、素足で触れる場所は足触りと傷の直しやすさ。力がかかる土台や梁は耐久性と強度。毎日動かす建具や引き出しは軽さを重視します。また、人も荷重も触れない壁や天井に貼る板は、木目の美しさで選ぶのも一案です。

床は部屋ごとに硬さを変えて選ぶ

床は、部屋の過ごし方に合わせて硬さを変えると快適になります。人が歩くリビングやダイニング、廊下には、オーク(ナラ)など傷のつきにくい広葉樹。素足で過ごす時間が長い寝室や子ども部屋には、スギやパインのように足触りが柔らかく冷たさを感じにくい針葉樹が向いています。ただし床材を部屋ごとに分けることは必須ではありません。

土台と柱は、耐久性で選ぶ

土台と柱は地面に近く、湿気やシロアリの影響を受けやすいため、耐久性で選びます。国土交通省の評価方法基準では、劣化対策等級3を満たす方法として、防腐・防蟻処理を施した製材か、耐久性の高い樹種(ヒノキ・ヒバ・ケヤキ・クリなど)の心材で小径12.0cm以上の建材が挙げられています。

一方、梁に必要なのは、長さと強度。まっすぐ速く育つスギやマツ類などの針葉樹が使われます。

建具や造作家具は、軽さで選ぶ

建具や造作家具は、毎日動かすものだからこそ軽さが重要です。引き戸や扉が重いと開け閉めに力が必要になり、レールや丁番などの金物にも負担がかかります。例えば、キリやスギは、建具や引き出し向き。板やテーブルのように強度と見た目が求められる部分は、硬い広葉樹が向いています。

無垢材の弱点は、どこまで防げる?

無垢材は、反りや割れ、色や木目のばらつき、価格の高さなど弱点があります。これらは乾燥方法や木目の取り方、塗装の工夫で影響は小さくできますが、木が動くこと自体はなくなりません。

反りや割れは、乾燥と木目の取り方で小さくできる

無垢材は湿度に応じて水分を出し入れするため、反りや割れが生じることがあります。対処法の1つは、乾燥です。製材の日本農林規格(JAS)が定める含水率の基準は、造作用の仕上げ材で15%以下または18%以下。無垢ストーリーでは、天然乾燥させたあとに人工乾燥をかけ、この基準に適合させています。

もう1つは、木目の取り方です。年輪に対してほぼ直角に挽いた柾目は、反りや曲がりが少ないため、変形を避けたい部材に使われます。

乾燥させても、木が動くことはなくならない

縮みは乾燥でおさえられますが、割れや反りは乾燥だけでは防げません。そのため、木材の使い方で弱点を補います。無垢ストーリーが建具に使うのは、反りにくい柾目。木目の美しさを見せたい家具の扉には板目を使い、裏側に反り止めの木を取り付けています。

色や木目のばらつきは、塗料の調合でそろえられる

無垢材は樹種によって木の色や木目が異なり、樹脂の量も違います。そのため、同じ塗料を使っても仕上がりの色が同じになるとは限りません。対処法は、塗料を調合して色味をそろえること。無垢ストーリーは、樹種や表面の仕上げごとに塗料のレシピを作成し、違う樹種でも仕上がりの色をそろえています。

価格は、流通の段階を減らせばおさえられる

無垢材は、原木から製材、加工、塗装と工程が増えるほど、それぞれの段階でコストが発生します。価格をおさえる方法は、流通の段階を減らすこと。製材や加工を自社で手がける工務店であれば、その分のコストをおさえられる場合があります。

無垢ストーリーは、どこに何の樹種を使っているの?

無垢ストーリーでは、土台と柱にヒノキ、梁にスギ、フローリングにナラとパイン、建具と造作家具にスギ・キリ・ナラ・タモを使っています。求められる強度や軽さ、加工性が部位ごとに違うからです。

土台と柱には、シロアリに強いヒノキを使っています

地面に近く、湿気やシロアリの影響を受けやすい土台と柱にはヒノキを使用しています。一般的な住宅ではスギの柱やホワイトウッドの積層材が使われますが、ヒノキはこれらより成長が遅く、そのぶん年輪の目が細かくなり強度に優れているからです。

また、屋根を支える垂木にも、芯のあるヒノキを使用。梁は長い材が必要になるため、下呂産のスギを取り入れています。

フローリングには、硬いナラと柔らかいパインを使っています

フローリングに使うのはナラとパインです。ナラは硬く木目が美しいため高級感のある床になります。傷がつきにくいので、リビングやダイニングに使用しています。

一方、パインは肌触りが柔らかく、素足でも冷たさを感じにくい床材。素足で過ごす時間が長い寝室や子ども部屋に向いています。

建具には、軽くてスムーズに動くスギとキリを使っています

建具と造作家具では、部材ごとに樹種を変えています。毎日動かす建具に使うのはスギとキリ。比較的軽いので重量をおさえられ、開閉がスムーズになります。家具のキャビネットや引き出しの内部にも、軽く加工しやすいキリを使用。

一方、硬さと見た目が求められる扉やテーブル、ソファ、椅子には、ナラやタモを選んでいます。

部屋や用途ごとに樹種を選べるのは、丸太から自社で製材しているからです

無垢ストーリーでは、下呂市の木材市場で仕入れた木材を、製材から加工・塗装まで自社工場で行っています。一般的な木材の流通では、原木を製材工場で加工した製材品が、木材販売業者やプレカット工場などを経て工務店に届きます。このルートでは、工務店が選べるのは市場に出回っている規格のものだけです。

しかし、丸太から自社で仕入れれば、部位に必要な寸法も樹種も、さらに柾目か板目かまで指定できます。すべての木材を原木から仕入れているわけではありませんが、部屋や用途ごとに樹種と木目を選べるのは、製材から自社で手がけているからです。

よくある質問

Q1 無垢材と集成材はどう違うのですか

違いは、1本の木をそのまま使うか、板を貼り合わせるかです。無垢材は丸太から切り出しただけの木材で、集成材は複数の板を接着剤で貼り合わせてつくります。集成材は反りや割れが起きにくく寸法が安定する一方、無垢材には木そのものの調湿性と木目の表情が残ります。

Q2 無垢材の床は、樹種によって冷たさが変わりますか

変わります。気乾密度が低い樹種は内部に空気を多く含み、足の裏の熱を奪いにくいからです。ただし樹種だけで決まるのではなく、部屋の断熱性能や室温にも左右されるため、「無垢材の床なら暖房がいらない」わけではありません。

Q3 傷がつきにくい樹種を選べば、メンテナンスは不要ですか

不要ではありません。硬い樹種は傷がつきにくい反面、ついた傷を直すのに手間がかかります。柔らかい樹種なら水とアイロンでへこみを戻せますが、どちらの樹種でも風合いを保つには定期的な塗り直しが必要です。

Q4 国産材と輸入材で性能は違いますか

樹種が同じであれば、性能に大きな差はありません。ただし育った環境で成長の速さが変わるため、同じ樹種でも年輪の細かさや密度に違いが生じます。無垢ストーリーが使うスギは下呂産ですが、大空間を構成する際は大きな材が必要になるため、強度の高い輸入材の米松積層材(板を貼り合わせた木材)を使うこともあります。

Q5 家の中で複数の樹種を混ぜて使うと、ちぐはぐになりませんか

樹種によって色や塗料の吸い込み具合は異なるものの、塗料の配合を調整すれば仕上がりの色をそろえられます。無垢ストーリーが樹種や表面の仕上げごとに塗料のレシピを用意しているのも、このためです。

無垢材の樹種は「どれがいいか」ではなく、「どこに使うか」で住み心地が変わります

無垢材の樹種選びで迷ったら、樹種名ではなく、使う場所に必要な性質から選ぶことが大切です。用途ごとに樹種を変えられるかどうかは、工務店が木材をどこまで自社で扱っているかにも左右されます。素足で触れる床なら足触り、力がかかる土台や柱なら耐久性、毎日動かす建具なら軽さを重視しましょう。

「うちはどの樹種にすればいいのだろう」と思われた方は、ぜひ無垢ストーリーの展示場へお越しください。数値では分からない木の感触を確かめていただけたらと思います。

 

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